採点法(スケーティングシステム)
ほとんどの競技ダンス団体では、採点法としてスケーティングシステムと呼ばれるシステムを採用しています。
競技ダンスでは、複数の競技者が同時にフロアで踊るので、競技者を相対的に評価できます。ざっくり言うと、その中で良いものから順に点数をつけていくのがスケーティングシステムです。
審査員は相対評価で点数をつけていきます。
審査員の数は基本的に奇数です。競技会の規模にもよりますが、5・7・9人の審査員であることが多いです。大規模競技会では11人や13人というようなこともあります。
競技するカップルの男性の背中には背番号がつけてあり、その番号を見て審査用紙に記入していきます。
どうやって順位が決まるの?
・予選
予選では、審査員からより多くの点数をとった人が次の予選に進めるというシステムです。
競技しているフロアで、そのカップルが他に比べて良いなと思ったら審査員は審査用紙の背番号と対応する番号にチェックを書きます。このチェックが点数となります。
チェックの合計数が多ければ次の予選に進めるというわけです。
審査員がつけられるチェックの数は予選により決まっており、全員がもらえるわけではありません。
例えば審査員の持っているチェック数が12個だとすれば、上位12位以上の人にチェックがついていきます。また1審査員は1カップルに1つしかつけられませんので、12組必ずチェックをつける必要があります。多い、少ないなどがあると審査員にペナルティが適用されることもあり、審査員も正確にしっかりと審査せねばなりません。
チェックが何個必要かはその時々によりますが、目安は過半数です。7人の審査員からなら4個ということです。
次の予選に進める人数は決まっているので、チェック数の多い人から順番に次の予選に進める人数の順位までが次の予選に進めます。
・決勝
決勝では、過半数の審査員から1位をとった人が1位になるというシステムです。
7人の審判員の場合、4人が1位で、残り3人が最下位をつけたとしても1位になります。
もし同時に3人から1位、残り4人から2位を取った人がいても、その人はあくまで2位で、先の人が1位になります。
スケーティングシステムの特徴
特徴は、過半数の審査員の意見を重要視している点だと思います。
予選は、選挙などと同じシステムですね。
相対評価ですので、審査員の主観が入ってしまうことがありますので、審査員全員の総意ではなく、過半数であるという点で公平が保たれています。
ただ、絶対評価点がないので、どうしてもスケーティングに政治的な要素が入ってくることがあります。
スケーティングシステムについては、良い・悪いと色々批評はあるようですが、実際世界中の競技ダンス競技会で採用されているので、受け入れるしかなさそうです。
100m走などのようにタイムを争う競技で無い限り、皆が満足するような採点法というのは難しいでしょう。
WDSFが努力して、より良い審査方法を模索していますが、なかなか難しそうです。