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11人のジャッジのうち,6人が認めたのに負けた!?

11人のジャッジのうち,6人が認めたのに負けた!?

 興味深い記事を見つけた.「How can a couple lose when the majority of judges mark them to win? 」という Harry Smith-Hampshire氏の記事である.
 記事によると2000年のWorld Professional Standard Championshipと, 2001年のUnited Kingdom Professional Standard Championshipで事件は起きた.


 このとき争っていたのは,Augusto Schiavo & Caterina Arzentonと, Luca Baricchi & Loraine Barricchiだ.Harry氏によると,「11人のジャッジのうち,6人がLuca優勢の順位をつけたのに, 5人しか優勢にしなかったSchiavoが勝った」というのだ.


 とやかく言う前に,先ずは,ジャッジ表を見よう.今回見つかったのが,2000年のWorld Professional Standard Championshipの ジャッジ表だけだったので,それを使うことにする.今回は,2001年のUKの分は資料が見つからなかったので, 書かないことにする.

ジャッジ表
審査員Luca,WTFQVSchiavo,WTFQV
Borge Jensen 1211221221
Rudi Trautz 1111123242
Bill Irvine 2222211111
Ratna de Rijk 1121122122
Gianni D'Oria 2322211111
Anna Nakagawa 1111122222
Ann Harding 1212121212
Ferenc Polai 2121212121
Fredi Novak 2222211111
Alla Chebotareva1111122222
Brian McDonald 2221211121

となっている.
 ジャッジの中で比較すると,Borge Jensen, Rudi Trautz, Ratna de Rijk, Anna Nakagawa, Ann Harding Alla Chebotarevaの6人が,Luca優勢でつけている.
 ここを見る限りでは,確かに,11人のジャッジのうち,6人がLucaのほうが,Schiavoよりも良いと評価しているといえる.

種目別で見ると…

 では,ここで種目別に見ていってみよう.スケーティング用に種目別に全ジャッジの順位を並べ,1位から順に並び替えている.

ジャッジ表
LucaSchiavo
Waltz 1111112222211111222222
Tango 1111122222311111122223
SlowFoxtrot 1111122222211111122222
QuickStep 1111111222211112222224
Viennese Waltz1111122222211111122222

 これを見ると,スキアーボが僅差で勝っているのがわかるだろうか. スケーティングを知っている人ならばスキアーボの勝ちだと言うことは,一目でわかるだろう.
 スケーティングシステムでは,種目の順位は,種目内での1位の本数が多いと勝ちである.この表を見ると, Lucaが勝っているのはWaltzとQuickStepの2種目で,SchiavoがTango,SlowFoxtrot,Viennese Waltzの3種目勝っている事がわかる.
 スケーティングシステムでの総合優勝は,順位の合計が低い者が勝つことになっている. 今回は,LucaはW1 T2 S2 Q1 V2の合計8点,SchiavoはW2 T1 S1 Q2 V1の合計7点であるので,Schiavoの勝ちになる.

判定:Schiavoの勝ち.

 現在,殆どの競技ダンス団体で採用されているスケーティングシステムでは, こういったことが起こりうるわけである.
 筆者は,このシステムの良い,悪いを言うつもりはない. これがスケーティングシステムという実態である.
 これを機に,スケーティングシステムの採点法について,皆が興味を持ってくれたら幸いだなぁと思う.

参考ホームページ